
From:三原成寛
昔、1人暮らしをしていたとき引越しをする際、電子レンジを買うために家電量販店に足を運びました。言い方は失礼かもしれませんが、たまたま接客についた営業マンが当たりだったんです。
その営業マンは、私の予算や家族構成、普段料理をするのかしないのか、普段どのようなものを食べているのかなどをヒアリングして、私にこうアドバイスしました。
「売れ筋商品は、こちらのスチームタイプのオーブンレンジですが、お客さんならここまで必要はありませんね。むしろ生活パターンからするとスペックオーバーになりますので、こちらのタイプがオススメですよ。」
と、売れ筋商品よりも2万円安い一般的な電子レンジを案内され、彼のセールスのあり方に信頼し、彼のアドバイス通りその電子レンジを買うことになりました。
きっと、マニュアル通りの営業マンに当たっていたら、
「売れ筋商品は、こちらです。」
「みなさん、こちらを買われていますよ。」
などと案内され、「売れているなら間違いないな」と思い、予定よりも高いスチームタイプのオーブンレンジを買っていたかもしれません。
その彼は独立して、そのお店からいなくなってしまい残念ですが、電気機器を買うときはいつも彼から買っていました。
住宅営業マンも営業のプロ
住宅メーカーの営業マンも営業のプロです。
お客さんの前に立つまでに、さまざまな研修を受け教育をされています。
「みんなこうしていますよ。」
「普通はこうですね。」
などと、「みんながしているなら私も」と社会心理を利用したセールストークをしてきます。
お客さんはただ、そう言われると「そうなんだな~」と思ってしまいます。
だって、「建築のことをたくさん勉強してから家を買います!」なんてことを考える人なんていませんからね(^^;
そうして言われるがまま、必要とされない設備などにお金をかけることになってしまいます。
資金計画も同じことです。
「みなさん35年ローンですね。」
「金利は低いほうがいいでしょう?いまなら変動金利は1%を下回っていますから負担が少なくて楽ですし、みんなそうしてますよ。」
返済期間や金利、返済額についての条件は、お客さんの考えを聞くことなく、「長めの返済期間、金利低め」で案内されるのが実情です。
たしかに当初の負担は低く、「これなら返せそうだ」と思うかもしれませんが、利息が増える可能性は将来とても高いんです。
魅力的な家を目の前にして、気持ちが揺らいでいるときだからこそ、セールストークによってますます「これなら返せるし、買える範囲内だな。」と思ってしまいます。
一部のひどい営業マンは、「将来どんな金額の返済になるか?」なんてことはあまり重要視していません。でも、そんな営業マンに言われて「そうなんだ」と思ってしまう・・・。
あなただけは、そうならないようにいてください。
信頼できる営業マンの見極め方は、お客さんのことを真剣に考えてくれているかどうかです。
信頼できる営業マンや売れている営業マンほど、お客さんのバックボーンをしっかりとヒアリングして、その人に合った的確なアドバイスをしてくれます。
そして、必要なところにお金をかけ、必要のないところにはお金はかけさせない。
私が思う『本物の営業のプロ』とは、このような人たちだと思います。
けっして「みんなそうしていますよ。」などと、マニュアル通りのアドバイスはしません。
一生に一度の大きな買い物だからこそ、セールストークにまどわされず、冷静な判断をして見極めをしてください。
次回は、『こんなパターンに気をつけて!』をお伝えしていきます。